宇和町河内の昭和18年7月24日大雨災害被災者慰霊碑(西予市)

西予市宇和町河内の河内(カワチ)集落の北端に石造観音菩薩立像とともに平成12年建立された昭和18年7月24日大雨災害被災者慰霊碑があります。

この慰霊碑には、昭和18年7月24日の土石流災害で犠牲になった河内集落の5名の方の名前が刻まれています。

調査の結果、昭和18年7月豪雨で発生した土石流は、戦後昭和23年の米軍が撮影した航空写真から、河内集落の裏山が崩壊し崩土が泥流になった土石流が約300m流れ下り、下流にあった河内集落を襲い、民家5戸、15棟が倒壊して押し流され3戸が壁や床等を打ち破られ、成人4名、幼児1名が埋められて死亡し犠牲になった。田畑も深い所で3mも泥土を被った大水害であったことが分かりました。

愛媛県史上で空前のこの昭和18年水害は、肱川下流の大洲でも未曾有の肱川氾濫で寺に避難の老幼子女の11名が犠牲になった土砂災害記録も残っています。

丁度、6年前の平成30年の西日本豪雨で西予市野村町や大洲市で肱川の規格外の大洪水に見舞われ大きな被害を受けました。

しかし、肱川の沿川に住む多くの皆さんは、この西予市宇和町河内の水禍は、あまり知られていません。この慰霊碑の自然災害伝承碑は、災害は昔も現在も同じ現象ではないが、よく似たことが発生するので、このような過去の災害の類似性と教訓を学び、備えることが大事であることを教えてくれています。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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