那賀川の水利の歴史を伝承する堰・用水碑

昔の那賀川平野の稲作は、那賀川の流れが蛇行して水当たりとなっている場所から旧河道を通して引き込んだ水が届く範囲と、河跡池の湧水がある低湿地帯に限られ、少し高い農地では「水車」が使われていました。その水利の不便を解消するため、先人は那賀川に、藩政期・明治期に多くの堰や用水路を造り石碑を建立しました。これらの碑には、艱難辛苦を乗り越えた先人の教訓が刻まれています。2022年9月の現地の結果、那賀川下流平野には、水利の歴史を伝承するする碑が11基もあることが確認できました。その現地調査から那賀川の水利の歴史について紹介します。

那賀川下流域が発展を遂げたのは、沿岸住民の生活が堰・用水で那賀川の水と深く結ばれ、すべて水の恩恵によるものです。今日、気象変動等から渇水のリスクは高まっており、先人の巧みな水利を学び、その教訓を今後の渇水対策に活かしていくことが大事であると思います。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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