水神を祀る社が数多くある那賀川下流域の防災文化

那賀川は、洪水の氾濫や破堰・修復のくり返しの歴史があり、那賀川を生活の場とする住民は、要所に水神を祭って、その怒りを鎮め、加護を祈った水神社が数多くあります。これらの水神社には、治水・利水を巡る悲しい逸話などの伝承が残っております。これらの水神さんと呼ばれる社の2022年9月2日の現地の結果、阿南市の那賀川下流の氾濫原には、水神を祀る社が25社もあることが確認できました。それらの調査結果から那賀川の防災文化について紹介します。

この水神社の数は、他の地方に比べて特に多く、沿岸住民の生活が那賀川と深く結ばれ、水上の安全を願い、洪水氾濫をいかに恐れたが分かります。また三角州扇状地の氾濫原には集落が多くあり、古くより幾度となく洪水災害に苦しめられてきました。特に過去の水害記録や地域の地形特性は、地域の潜在的な水害の危険性を示唆しています。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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