小豆島町内海の大正7年紀念碑と昭和51年大水害復興記念碑

小豆島町内海の神懸通(かんかけどおり)地区には、大正7年に発生した土砂災害の紀念碑とその隣に、昭和51年大水害復興記念碑があります。

この大正7年土砂災害の紀念碑は、上部が欠損していいますが、大正七年八月二十九日未曽有の大水害に遭遇したことが記されています。

この過去の災害教訓は活かされませんでした。隣に昭和51年大水害復興記念碑が並んでいます。この大水害復興記念碑には、昭和51年9月8日からの連日の豪雨は小豆島東部に壊滅的な被害を与え、当神懸通地区においても山津波で家屋が流失埋没、床上浸水など凄惨な土砂災害があったことを伝承しています。

2024年10月13日の現地調査で、この時の災害を体験した地元の古老のお話から、土石流で流れてきた岩石を再建した住宅の石垣に使っているなど、貴重な住民の暮らし知恵があることが分かりました。しかし一般の地域の住民の方には、48年前に、地域が土石流で大きな被害を受けたことは、あまり知られていません。

この地域は、愛媛県や町の手により復旧工事が進められましたが、現在も土砂災害のリスクが高い地域であることは変わっていません。

この2つの自然災害伝承碑は、現在も地元の方の手によって大切に保全され、昔の土砂災害の被害を伝える貴重な防災資産であることを教えてくれています。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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