十夜ヶ橋永徳寺の平成30年7月大水害浸水最高水位標(大洲市)
大洲市東大洲の松山自動車道大洲ICを出た国道56号の十夜ヶ橋交差点付近に、空海(弘法大師)が野宿をしたという伝説が残る有名な番外札所である十夜ヶ橋 永徳寺(とよがはしえいとくじ)があります。
この永徳寺境内の太師堂に6年前の西日本(平成30年7月)豪雨の大水害で浸水した最高水位の表示した水最高水位標があります。境内に残る浸水痕跡の浸水の深さは、地盤から2.7mの高さで、過去の洪水痕跡と比べても規格外に大きい浸水でした。
この水害の浸水原因のひとつは、東大洲地区の堤防が完成堤防より3.6m低い暫定堤防であったことがあります。現在は肱川河川激甚災害対策特別緊急事業によって完成堤防に整備されています。東大洲地区の浸水被害を防ぐため、支流の都谷川(とやがわ)(東大洲堤防の直上流)には、大型ポンプを備えた排水機場を整備する計画があります。
また県管理の菅田(すげた)地区は、堤防で締め切られていますが、下流には越流許容する完成堤防より低い越流構造の堤防が設置されています。西日本豪雨など頻発する浸水被害を受けて、肱川水系河川整備計画を令和4年6月に変更して、今後、肱川の中下流圏域で堤防やダムの整備をさらに進めることになっています。
太師堂の最高水位表示は、地域の水禍を忘れてはならないこと、水害から命を守ること、今日の激変する気象変動下、ダム等の防災施設の機能を超える大きな洪水が起こることに備える必要があることを教えてくれる自然災害伝承標になっています。
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