松山築城とおたた(売魚婦)の由来・瀧姫伝説(松前町)
愛媛県伊予郡松前町浜の天保山旧港の埠頭に〈おたた〉(売魚婦)の由来・瀧姫伝説の祖である瀧姫を祀った瀧姫神社(写真1)があります。この〈おたた〉さんは、かつては頭の上に桶に乗せ松前、松山を「魚いらんかえ-」といって魚を売り歩きました。愛媛県では、売魚婦( ばいぎょふ)としてよく知られています。
この〈おたた〉さんは、初代、松山藩主の加藤嘉明が松山城築城に際して、松前城や松前港に築城のために大名から送られてきた石垣用の石を毎日たくさんの〈おたた〉(売魚婦 ばいぎょふ)が、魚の代わりに石を頭に乗せて、松前から松山まで運びました。
この功があって、〈おたた〉は藩主の加藤嘉明から「御用桶(ごろびつ)」の焼き印の入った桶を頭上に乗せ、松山城下に魚を行商に来ることが許され、松山城の城門に入るのも自由だったと言われています
松前町の娘さんたちは一度は魚行商をして〈おたた〉さんを経験しないと、嫁に入り資格がないという不文律があったそうです。その〈おたた〉さんの文化は、地域に受け継がれ、現在も松前町の産業を全国へ伝えるため、松前町商工会イメージキャラクターの『おたたちゃん』になって活躍しています。
土木偉人足立重信が藩都の社会資本整備の核となる松山城築城に際して、〈おたた〉の協力により松山城を築き上げ,治水事業を進め,今日の松山の繁栄をもたらしました。この偉業は松山が発展してきたことを伝える貴重な伝承であり。四国の防災風土資源であるといえます。
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