二頭出水(ふたがしらですい)の水争い(善通寺市)

  善通寺の門前町であった善通寺市は、金倉川の扇状地平野にあって地下水が豊富な土地で湧水や出水がたくさんあることが知られています。昔から農業用水や飲み水などの重要な水源として利用されていました。しかし干ばつの際には、出水を巡る水争いが起こっていた記録が伝承されています。

善通寺市史には、善通寺院と周辺三ケ村の二頭出水(ふたがしらですい)の水を巡る争いが二頭水取として、江戸時代に発生していたことが紹介されています。

 2023年2月19日の善通寺市の二頭出水の現地調査・文献調査の結果、善通寺市には、現在でも、湧水や出水が多く残っていることや地域の人々によって今日も大切に守られていることが分かりました。その調査結果について、紹介します。

 安定的で豊富な水量をもつ大河川に恵まれない香川県では、現在、香川用水が整備され渇水は少なっていますが、今日の激変する気象変動下、早明浦ダムの貯水量を超える大渇水が起こる場合があるかも知れません。また南海トラフ地震などの大災害に備えて、二の矢の水源として湧水や出水を保全することも大事です。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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