田之浜の昭和29年高潮災害の碑(津島町)

宇和島市津島町田之浜の漁港の一角に昭和29年高潮災害の防波堤竣功記念碑があります。この碑は、昭和29年9月26日の台風15号(のちに洞爺丸台風と名付けられ、世界の海難史上に記録される有名な台風)による激浪のため防波堤は、僅かにその基礎工事のみを残し、一瞬にして跡形もなく崩壊して、繋留中の船舶20余隻と共に奪い去られた高潮被害のことが伝承されています。この災害復旧工事や防波堤築造に尽力した方々の功績を称えて、地元の人々が昭和36年に建立されたものです。

この田之浜集落は、豊後水道に面し地勢上、台風の風浪が甚しく船舶の繋留に不便を極める高潮被害を受けてきたところです。現在は立派な防波堤ができた漁港として桟橋などの施設もできています。

2023年9月の現地・文献調査結果から、今日の田之浜地域発展の礎になった防波堤の築造や昭和29年台風の高潮の水禍を忘れないで、この地域が豊後水道に面し台風の高潮被害のリスクの高いため、台風来襲に備える必要があることを知っていただき、私たちが今後、遭遇するであろう巨大台風の高潮災害を考えるきっかけにしてほしい。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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