もしもの時の浸水に備えた民家の避難用の舟(大洲市)

愛媛県大洲市五郎には、もしもの時の浸水に備えた避難用の舟をもつ民家がありました。五郎は、昔、堤防がない時は、肱川の洪水で年中行事のように浸っていました。そのため常在洪水の備えとして、金持ちの家では舟を軒下に吊り下げていました。このような避難用の舟は対岸の若宮地域にもありました。

五郎で避難用の舟を持っていた方の水害体験では、「今は堤防ができていますけど、昔は、昭和18年、20年だけでなく時々舟を出すことはあったんですよ」と、かつて洪水の浸水から家族を守った回想をされています。

しかし、2023年11月29日、四国防災八十八話普及・啓発研究会の現地探訪の際には、この民家の軒下に舟は吊り下げられていませんでした。このような防災風土資源が地域から消え去ろうしています。いざという時のために備えるため地域の防災文化として大切に保全してほしい。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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