今も活用されている鹿の井出水(しかのいですい)(高松市)

高松市太田下町のサンフラワー通りから少しはいったところに、鹿の井出水(しかのいですい)自然公園があります。この石積みの小川がながれている公園の水辺の上流端には、鹿の井出水記念碑が平成3年5月に建立されています。

この出水には、平安時代1122年(保安3年)に讃岐の国が大干ばつに見舞われた時に、居石(おりいし)神社に現れた一匹の鹿が、前足で土を掘った場所から清水が湧いたという伝説がつたわっています。

この鹿の井出水は、香東川の扇状地にありますが、平成10 年度に魅力ある農村(むら)づくり事業の一貫として176m区間を石積み護岸改修やあわせて遊歩道、休憩所などが整備され静かな水辺空間となっています。

現在、鹿の井出水は、街中のオアシスとして地域の人々に利用されるとともに、今でも太田、伏石、下多肥の水田の補助水源として活用されています。

出水のある香東川の扇状地平野は、地下水が豊富な土地であり、昔から地域の人の生活に深く密着してきた出水が地域の人々によって、今日も大切に守られ利用されており、昔の渇水を伝える貴重な防災風土資源であることを教えてくれています。

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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

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