安政南海地震の口承行事「大潮まつり」がある白皇神社(黒潮町)
黒潮町田野浦の白皇神社(しらおうじんじゃ)は、安政南海地震の口承行事「大潮まつり」があります。この白皇神社は、黒潮町役場から南西方向に約5km行った田野浦漁港の近くの田野浦集落にあります。
この白皇神社では、嘉永7年(1854)11月5日に起きた安政南海地震の記憶に継承する大潮まつりが昭和時代初期まで行われていました。現在まで約100年の間途絶えていたこの行事は、田野浦の住民の間でも忘れ去られた存在となっていたが、安政の地震から170年となる令和6年(2024)11月5日、かつて行事が行っていた白皇神社の境内で復活されました。
昭和南海地震の記憶を語り継ぐという新たな形で行われた昭和南海地震の記憶の語りあう、地域の住民が氏神様の境内に集まり、シートを敷き食べ物や飲み物を用意して参加者が南海地震の記憶の語りあう大潮まつりというものです。
南海地震の口承行事「大潮まつり」の忘却された防災文化の行事は、防災を考える場としてだけなく、忘却された歴史文化の再興という点からも注目され、今後の継続的な開催が期待されています。
また黒潮町は、黒潮町は、2012年3月に示された日本一高い34mの津波想定で有名になりましたが、現在は34mの津波防災から生まれた「避難放棄者ゼロ・犠牲者ゼロ」を目指す取り組みで注目されています。非常食を日常食の防災缶詰や防災学習プログラム、国内最大級の津波避難タワー、宿泊型夜間避難訓練プログラムなどの防災ツーリズムが人気となっています。
これらの津波防災への取り組みは、現在の住民や観光客にとって、南海トラフ地震津波への注意を促し、防災意識を向上させる上で非常に有効な情報と考えられます。
太平洋に面し、南海トラフ地震津波により甚大な被害が想定される黒潮町は、これらの忘れ去られた防災文化(伝統行事)から多角的に学び、防災意識を高めることの重要性を示唆しています。歴史的な記憶を現代に繋ぎ、具体的な防災行動へと結びつける知恵が、地域コミュニティの安全を守る上で不可欠であると教えてくれます。
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